新建築家技術者集団

建築とまちづくり

2011年11/12月号(No.403)

特集:福島原発事故を直視する

福島第一原発の事故から9カ月経った12月、政府は「原子炉は冷温状態に達し、事故そのものは収束に至った」と宣言しました。しかし、炉心溶融を起こした原子炉の状態はいまだ不明であり、汚染水は増え続け、避難した住民が戻る目処も立っていません。何より、原子炉をはじめ大量の放射性汚染物質をどう処理するのかの展望はまったくなしです。事故収束などと言える状態ではありません。
この原発事故は現代社会、現代文明に深刻な問題を投げかけました。脱原発は社会の大きなうねりになっていますが、本当に原発から脱するには福島の事故を直視することから始めるべきではないでしょうか。50を超える原発が存在する日本では、福島の苦難がどこでも起こり得るのです。本号では事故によって心も生活も破壊された被災者の実相を見つめ、復旧・復興に向けた厳しい道程を歩む地域の状況を明らかにし、さらに事故から明らかになった原発推進の虚構を糾します。
いま、建築家技術者も原発とどう向き合うのか、脱原発社会をいかに構想するかが問われています。この特集は、その答えを共有するための確かな一助になると確信しています。
(特集担当編集委員/鎌田一夫)
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・魅力的な都市空間の再生を、伝統的なまちの空間構造に学ぶ -5- 奈良(2) /福川裕一
・忙中閑「顔見知り度」 /永山孝一
<主張>被災者の仮住まいにストック住宅の活用を /鎌田一夫
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<特集>福島原発事故を直視する
・福島県復興ビジョンとその後の展開 /鈴木 浩
・原発震災 -被災地での体験と今後とられるべき対策 /伊東達也
・強いられる長期の避難生活 -生活再建の展望 /丹波史紀
・私の反原発運動 ー地球上のどこにも原発は不要 /浜 朝子
・建築技術者は福島原発事故をどう受けとめるべきか /片方信也
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・マンションサポートの心得(12)施工者選定 /大槻博司
<新建のひろば>
-震災復興会議ほか支援活動の記録(2011年10月~12月)
-住宅研究・交流集会 -震災の住宅復興居住者支援と首都圏の備え
-第1回新建復興支援フォーラム「震災復興はどこまで進んでいるのかーこれからの建築技術者の役割は」
・風景へ まちづくりの実践 (31) 終わりにー「風景」はまちづくりの成長とともに /三沢浩
〈表紙写真〉津波に襲われた広野町の沿岸部 人影はまったく見えない /鎌田一夫
〈特集扉写真〉原発事故収束作業の拠点となるJヴィレッジ(上)と除染中の広野小学校(下)/鎌田一夫

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