新建築家技術者集団

建築とまちづくり

2002年1月号(No.294)

■特集■木の国日本その1 山を生かし続ける

 このままでは、日本の山も木も里も、みんな死んでしまう――。
果たして、ここまで来てしまった現代社会に、山の再生への道は残されているのだろうか。
もしそれがダメだといわれても、たとえその道が八方塞がりであっても、われわれはその道を探さなければならない。それがわれわれの使命である。
心ある山人がどのように山を愛そうと、あるいは心ある里人がどのように山を愛そうと、バラバラの、そして単独の思いだけでは、膨大な面積の山の荒廃を止めることはできない。
育てるためには、使う経済がなければならない。生き生きとさせるためには、山と人々の生活が結ばれなければならない――。

通巻300号を迎える今年は、ひと月おきに年間特集「木の国日本」をテーマとする。
1月号 「山を生かし続ける」
3月号 「木の流通を再生する」
5月号 「木造建築の構造・工法」
7月号 「木の国・木の文化」(通巻300号)
9月号 「木材利用の伝統と新しい技術」
11月号 「木と職人事情」
1月号は第一段として、山里の林業に踏み込む。

この10~20年、産地直送や林業そのものへのこだわりなど、全国各地でさまざまな取り組みが見られてきた。そこには一定の成果を見ることもできたと思う。
しかし、ごく一般的な里山には、すでに山を知る人々が存在しなくなってしまっている。すっかり山が動かなくなり、荒れ放題となっている。
このような状態に対して、改めて一般市民が危機感を抱き始めてきた。消費者の目が山に向き始め、海里の漁民たちまでが山に登り始めた。
今、山は新たな可能性を持ち始めている。そのわずかな動きをしっかりと捉えるため、この誌面を使って取り組んでみようと思う。
(特集担当編集委員 丸谷博男・林工)

インタビュー◆森林維持・木材再生産と設計者の役割 長谷川 敬
持続(再生産)可能な立木価格の再構築をめざして 和田 善行
小さな山村・エコビレッジ諸塚の挑戦 矢房 孝広
森林(やま)と都市(まち)を結ぶ木の家づくり 吉野  勲
間伐材利用と職人技術、森林の維持へ 関原  剛
森林の見学会のことなど 羽生 卓史
山のどんじりの集落に元気が見えた──山熊田の主婦の山おこし 丸谷 博男
■連載
《忙中閑》山が呼んでいる  丸谷 博男
《建築運動史33》阪神淡路大震災 本多 昭一
《主張》新建第23回大会期の初頭に立って  片方 信也
《家具とインテリアの近代6》日本のアールヌーボ   中村 圭介
《イタリアの都市と空間6》都市のパターン  松岡 宏吉
《ワーク&ワーク新建62》AKARI Project あかりをテーマにまちづくり  都井 一裕
《ひろば》 第23回全国大会レポート/財政について/「憲章」案の論議と採決/大会開催地の長野支部から/特別決議
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