新建築家技術者集団

建築とまちづくり

2001年4月号(No.286)

■特集■商店街活性化と三つのまちづくり法

 かつては中心市街地イコール商店街として、その活性化が単独でとりあげられた。その文脈での「大店法」は、地元対大規模外部資本という図式によっていた。しかし今は、大型店の規制が地域の商業力を低下させたり、逆にその受け入れが地域商業を全国的な景気変動の波にのせてしまったり、単純な図式ではとらえきれない現実がはっきりしてきた。また、その後の「大店法」改正による規制緩和は、逆に郊外に大型店をあつめて中心市街地の衰退に拍車をかけている。限られた都市では現在でも巨大資本による再開発がおこなわれているが、福岡など一部を除いてとても成功しているとはいえない。再開発という手法そのものが疲弊している。
しかし、その中でもいくつかの新しい取り組みが始まっている。
自治体が新たな「大店立地法」と「中心市街地活性化法」「改正都市計画法」を複合して「まちづくり三法」と位置づけていこうとする施策では、地方分権のまちづくりにおける公共の可能性が試されている。商店街活性化をまちづくり条例という規制色の強い方法のなかで位置づけ、地域のポテンシャルを正しく評価し、ゆるやかに再生をはかろうとする動きも出てきた。
再生の主体も従来の商店街や商業行政から、外部資本はもとより、NPO、公共全般、地域住民に広がり、福祉などとの協働も試みられている。もちろん課題は多く、試行錯誤の段階にやっとたどりついたところだろう。
今回の特集では、中心市街地の再生をまちづくりとして展開するこれからの方法を見つけだすために、どのような可能性が検討されつつあるのかを、「まちづくり三法」や「まちづくり条例」などの面から見ていきたい。
(特集担当編集委員 大崎元・三沢浩)

まちづくり三法の施行後、街はどうかわりつつあるのか

野口 和雄
中心市街地の商店街活性化 高橋志保彦
商店街活性化の中での公共空間 中野 恒明
これからの商店街づくり
――公共、外部資本、地元が錯綜する地場の可能性を引き出すこれからの手法
石田 綽男
街づくり三法時代におけるコンサルタントの役割 小宮 和一
駅がショッピングセンターに変わるとき
――大店立地法の適用外ではなかった
三沢  浩
黒壁の成功 丸谷 博男
■連載
《忙中閑》 ITが地方を変える 丸谷 博男
《建築運動史25》 地域的運動から全国組織へ 本多 昭一
《主張》 新建をひと回り大きくして第23回全国大会を迎えよう 今村 彰宏
《世界の集合住宅見聞録13》 フンデルトヴァッサーハウス 鎌田 一夫
《歴史・まち並み・見て歩き13》 赤玉神教丸・有川薬局 木下 龍郎
《ワーク&ワーク新建54》 民間優良建築物等整備事業の取り組み 市川 文明
《面白かった本・気になる本》
脇本祐一『街が動いた――ベンチャー市民の闘い』(学芸出版社)
簑原敬・河合良樹・今枝忠彦『街は、要る――中心市街地活性化とは何か』(学芸出版社)
荒井春男他『図解 軸組木造住宅のしくみと施工』(東洋書店)
《ひろば》 神奈川支部より/21世紀 新建富山によせて 支部幹事の抱負/地方におけるセミナー開催準備の「戯言」/愛知万博の問題と課題/松井宏方「描・写」展を見て/西全国幹事会での綱領改定ついて出された意見の速報

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