新建築家技術者集団

建築とまちづくり

2001年2/3月号(No.285)

■特集■介護保険と住まい

 介護保険がスタートしてからすでに1年近くが経過した。
この保険は「高齢者の介護を社会全体で支え、利用者の選択によりサービスが受けられる仕組み」として創設されたが、制度そのものが利用者に分かりにくい、収入の少ない高齢者にとって介護サービス費用の一割負担が大きい、必要なサービスが十分に供給されていない、利用可能なサービスが十分利用されていない、など多くの問題も生じている。
住宅改善に関して経験の少ないケアマネジャーや住宅事業者の参入等により、これまで各地域で建築、福祉や医療の専門家等の連携などによって生み出されてきた住宅改善ネットワークなどとは性格を異にした、「市場性」が重視された新たな「産業」としての住宅改善システムが生じてきている。また、介護保険の導入に伴い住宅改善にかかわる助成制度が後退した自治体も少なくない。
介護保険は、福祉施設や高齢者住宅の利用形態、その在り方にも大きな影響を与えている。
今特集では、高齢者や障害者が安心して住み続けられるための住宅改善の必要性、福祉政策と住宅施策の連携の必要性、高齢者の居住にかかわる建築技術者の役割と他分野の専門家との連携の必要性といった視点から、「介護保険と住まい」の問題について検証する。
(特集担当編集委員 鈴木晋)

「介護保険」問題が問いかけるのは21世紀高齢社会のあり方
――介護保険制度の仕組みと当面する課題

矢部 広明
◆インタビュー◆ケアマネジャーに聞く――介護保険の現状と住宅改修の方向性 菊地 泰子
三村 尚代
原   海
岩瀬 和子
山本ヒカル
原田 愛子
介護保険制度の前提としての居住政策 鈴木 晃
介護保険と建築技術者 大竹 司人
介護保険と住居改善 岩瀬 昌照
岩瀬 和子
原田 愛子
住宅事業者として介護保険を迎えて 年森 隆広
東京都町田市に見る介護保険施行後の住宅改修助成制度および建築技術者の関わりについて 髙本 明生
利用者に喜ばれる高齢者施設づくり 永橋 爲成
■連載
《忙中閑》 新世紀はIT? 丸谷 博男
《建築運動史24》 60年代に全国組織が再建されなかった事情(再論) 本多 昭一
《主張》 日常業務として新建運動の前進を 久守 一敏
《世界の集合住宅見聞録12》 ベルリンIBA 87(その2) 鎌田 一夫
《歴史・まち並み・見て歩き12》 醤油屋喜代治商店と居醒の清水 木下 龍郎
《ワーク&ワーク新建53》 「森と住まいを結ぶ」取り組み 相川  明
《面白かった本・気になる本》
広瀬鎌二『大廈なる――重源・東大寺再建物語』(彰国社)
石部正志他『奈良世界遺産と住民運動』(新日本出版社)
《ひろば》 全国常任幹事会報告/全国幹事会による綱領改定案(新建憲章)が決定/地方におけるセミナー開催準備の戯言/愛知万博への試案を提示/新建設立30周年出版事業

 

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